症例:術後の神経痛や神経麻痺の治療

術後神経痛を鍼灸治療で緩和

実は多い術後の神経痛

術後といっても癌切除の手術から親知らずの手術まで様々あります。特にこの頃は腰椎ヘルニアや膝の人工関節置換術などを積極的に行うケースが増えています。イメージでは手術を行えば今まで辛かった痛みもピタッと止まるように思ってしまいますが大部分の方はそう簡単にいかないのが現状です。また術後のストレスである「侵襲」というものもあり酷い方だとうつ病に陥る方もおられます。

症例:抜歯手術後の舌の神経麻痺

今回、症例としてあげるのは親知らず抜歯手術後の舌の神経麻痺の治療についてです。患者さんは親知らずの生え方が特異で通常の抜歯ができず専門病院で手術をされました。

術後、舌の感覚麻痺(味を感じない)と運動障害が残ってしまいました。主治医からは「そのうち治る」と言われ様子をみることに。

ただやっぱり飲食をする上で気になるので当院に治療に来られました。

安心して治療を受けるためには施術者との信頼関係も必要

舌の神経麻痺の影響は?

症状を診てみると舌の動きが悪い影響で顎関節から後頭部まで著明なこりとむくみが出ていました。抜歯手術の影響のむくみや腫れもありますがそれにしても著明なむくみが出ていました。何より気になるのは「味を感じない」ことと「舌を動かしにくい」ことです。

舌に関わる神経はいろいろありますが味覚に関する神経は舌咽神経が司っています。舌咽神経の通り道は顎関節の近く、下顎のあたりです。問診しているうちに抜歯したのも下顎の奥歯のようでオペ前に神経麻痺の可能性に主治医は言及していたようです。結局、麻酔か手術の影響で神経麻痺が残ってしまったようです。

神経麻痺には鍼灸治療が効果的!

治療の方は主に患部周囲に0番鍼で置鍼。経絡は胃経、肺経、腎経で反応のあるツボに刺鍼。

1週間に1回、4回を1クールとして治療することとしました。しかし3回目で8割程度感覚が戻ったと自覚。病院の検査でもほぼ戻っているという結果が出て患者さんご本人も一安心。4回の治療を必要とせずこの症状の治療は終了となりました。

今回は神経麻痺の症状でしたが頸椎や腰椎の術後の痛みに対しても鍼灸治療は有効です。自覚がありなかなか痛みが取れないという方は一度ご相談ください。

早期の治療が大事です!

予後良好となった一番の要因は神経麻痺となりすぐ来院いただいたこと。もしかして「そのうち治る」と様子をみて何か月かあとに来院されていたら難治性のものになっていたかもしれません。

どんな症状でも早く治療を始めることが大事です。

それと患者さんとの信頼関係は大事だとつくづく感じました。

気になることがあればまずご相談ください!

奥村 和弘

奥村 和弘

鍼灸師。体育大学出身。フィットネストレーナーとして10年勤務。さらに探求を深めるべく東洋医学を学び鍼灸師に転身。治療歴20年を前に未熟さを痛感しブラッシュアップ中です。体の整体治療、食いしばり改善治療、その他顔鍼など様々な症状の施術に日々、奔走しております。

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