食いしばりによる頭痛はこの血管が原因かも!?

食いしばり癖のある方は、実に多くおられます。しかし半数ほどは無自覚ではないでしょうか?治療している上で食いしばり癖ある方の特有の強張りがあるにも関わらず「それはない」とおっしゃる方は少なくありません。

食いしばり癖による症状は様々ですが特に頭痛は多い症状の1つです。その理由を解説していきます。

食いしばりの症状とは?

食いしばりによる症状は先に書いたように本当に様々です。典型的なのは顎のだるさや痛み、首のこり、歯茎の痛みなどでしょう。それに付随して頭痛、主に側頭部痛、肩こり、顔のむくみ、目の疲れ、体全体の倦怠感、不眠、自律神経の失調などの症状があります。顎以外に痛みが出ていると食いしばりが根本の原因とはなかなかわかりません。この症状の中で特に頭痛は多い症状の1つです。食いしばりが原因でなぜ頭痛になるのでしょうか?

食いしばりと血管の関係

顎関節付近には心臓から繋がる総頚動脈という大きな血管から分岐した内頚動脈、外頚動脈が通り脳に血液を運んでいます。また大きなリンパ節もあり、顎関節付近はとても重要な部分といえます。食いしばりでその付近の筋肉が強張り血管を圧迫し血液の流れが滞ると脳への血流量が少なくなったと錯覚し(実際は血液の流れは悪くなったものの血流量は変わらないと考えられます)増やそうと体は反応します。結果的に脳への血流量は増え頭痛となるわけです。

鍼治療でアプローチ

顎周囲は脂肪なども少なく筋肉も浅層筋が多いために手技で緩めるには難しい部分でもあるため鍼での治療が有効だと考えています。だいたい2mm程度の刺鍼でも十分な効果が得られます。当院では顔に使用する細く短い鍼を使用し食いしばりの治療を行っています。

まとめ

食いしばり癖は意外にも多くの方が抱えています。普段なくても会社での環境、人間関係などの変化で食いしばるようになることもあります。また重い物を持つ、力を使うようなスポーツなどでも知らず知らずのうちに奥歯を噛みしめていることも実は多くあります。これらを全て無くすことは不可能ですが、腹式呼吸で体の力を抜くようにしたり、力を入れるときになるべく全身に力を入れるのではなく使う部分を効率よく使うよう意識する、などで少し食いしばりの症状も変わると考えられます。いつものように体を使うのではなく少し工夫して体を使ってみましょう。

食いしばりと血管の関係はエビデンスに基づくものではなく治療を繰り返し行っている中で導き出した考えであります。その考えのもと治療を行い良い結果を得られているので決して間違いではないと確信しています。少しでも参考にして頂ければと思います。

奥村 和弘

奥村 和弘

鍼灸師。体育大学出身。フィットネストレーナーとして10年勤務。さらに探求を深めるべく東洋医学を学び鍼灸師に転身。治療歴20年を前に未熟さを痛感しブラッシュアップ中です。体の整体治療、食いしばり改善治療、その他顔鍼など様々な症状の施術に日々、奔走しております。

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